「大和村タンカン」ブランド確立へ 糖度13度以上を新品質基準に 東京で初の試食商談会

2025年03月19日

社会・経済 

「大和村タンカン」ブランド確立へ 糖度13度以上を新品質基準に 東京で初の試食商談会

大和村は15日、村産タンカンをPRする試食商談会「DISCOVER 奄美大島・大和村」を東京都新宿区のホテルオークラレストラン新宿ワイン&ダイニングDUKEで初めて開いた。都内の高級スーパー、ギフト店、青果の仲卸などのバイヤーらにタンカンを使ったさまざまな高級料理を振る舞い、村産タンカンの可能性を発信した。

 

大和村産のタンカンは甘さと酸味のバランスが良く、あふれ出る果汁と芳醇(ほうじゅん)な香りが特徴。生産者は20人、生産面積は33ヘクタール、年出荷量は50トンに上る。今後は「大和村オリジナル」ブランドとして、糖度13度以上のものを新しい品質基準として商流に乗せていくことを検討している。今回は、これらタンカンを使ったさまざまな料理メニューを都内の事業者らに味わってもらうことで、関東での認知度を拡大し、ブランド力を高めて販路を拡大するのが狙い。

 

試食商談会には、奄美関係者を含め約40人が参加。伊集院幼村長は「地元にいる私たちには当たり前として気付かないタンカンの魅力がある。付加価値を高め関東で広げていきたい」とあいさつした。

 

会場にはタンカン風味のカボチャのポタージュや、タンカンのマーマレードで甘みを付けた北京ダックのオリジナルソースなどホテルオークラの洋食と和食、中国料理の一流シェフたちがタンカンを取り入れて開発した料理の品々が並び、参加者らは初めて食べるタンカンを使った料理を「おいしい」などと感嘆の声を上げながら楽しんでいた。

 

高級レストラン向けに果物や野菜などの仲卸業務を専門とする定松の牧泰利代表取締役社長は「コロナ後、インバウンドの復活も後押しとなって品のいい甘みを持った果物などさらに良いものを求める人が増えている。選果をしっかりやってプレミアムなタンカンとして都内のレストランなど料理のプロに認められれば、少しずつブランドを確立していくことができると思う」と、大和産タンカンの可能性に期待を寄せていた。