「感動地」審査で最高賞 瀬戸内町のゼログラヴィティ 「観光の多様性」高評価

2024年03月30日

社会・経済 

横ゼログラヴィティでマリンスポーツを楽しむ利用者(ゼログラヴィティ提供)

バリアフリーで海遊びが体験できる複合施設「ゼログラヴィティ」(瀬戸内町清水、鳥畑純一代表)がこのほど、観光の多様性や公平性を審査する「ジャパントラベルアワード」(株式会社しいたけクリエイティブ主催)の2024年グランプリに選ばれた。障がい者も健常者もすべての人が楽しめるマリンアクティビティを提供する工夫や努力が高評価されている。

 

ジャパントラベルアワードは21年に創設。実施されている観光体験が年齢や性別、身体能力に偏りなく、すべての人に平等に機会が与えられているかどうかなどの観点から審査し、「観光地」にとどまらない「感動地」としての取り組みを表彰している。

 

ゼログラヴィティは完全バリアフリーの宿泊施設で16年に開設。車いす専用エレベーターで車いすのまま入水できる船や、海に行く前に練習して遊べるバリアフリーのプールなどを備え、年間約90人の利用者がマリンアクティビティを楽しんでいる。

 

23年の夏には、審査員が実際に同所を訪れ現地調査を行った。受賞理由で主催者は「ゼログラヴィティ(無重力)という名の通り、障がいの有無にかかわらず、だれもが体験を楽しめる工夫や努力が最も深く響いた」と評価している。

 

ゼログラヴィティは、宿泊者の多様なニーズにこたえるべく、事前の打ち合わせを通し自在にアクティビティをアレンジし提供するサービスを実施。グランプリに選ばれ、「この施設を必要としているすべての人々に知ってもらうきっかけになればありがたい」と話している。