バニラ奄美-関空線終了 ピーチと統合、再開10月
2019年05月08日
社会・経済
格安航空会社(LCC)バニラ・エア(本社・千葉県成田市)は6日、奄美空港―関西国際空港路線の最後のフライトを終えた。ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)との経営統合と路線移管に伴うもので、今後はピーチとして最短10月27日からの就航を予定している。利用者や観光関係者からは「夏休みに使えないのは残念」「観光業には大打撃。1日でも早い再開を」など、早期就航を望む声が聞かれた。
バニラ・エアによると、2017年3月26日からの奄美―大阪(関空)線の総運航便数は1481便。総提供座席数は26万6580席で、平均搭乗率は約80%。最終日の搭乗率は上りが96%、下りが90%だった。同社は「再開の要望も多く頂いている。統合後も可能な限り早く就航できるよう、準備を進めていきたい」と話した。
関西国際空港からの旅客を乗せたバニラの黄色い機体は午前11時48分、奄美空港に降り立った。子どもたちと4人で実家の兵庫県へ旅行したという瀬戸内町の井上真紀さん(35)は「夏休みの家族旅行には必ずバニラ・エアを使っていた。安くて便利だったので残念」と惜しんだ。
空港で利用者を待っていたレンタカー業者からは「関西方面の旅行者はレンタカーの利用が多く、運航の空白期間は打撃が大きい」「NHK大河ドラマ効果も薄れつつある。いつもなら書き入れ時の夏に来島者が減るのではないか」と経済への影響を懸念する声があった。
同社は本年度末までにピーチと経営統合し、路線を移管してブランドをピーチに一本化する。バニラの奄美大島―東京(成田)便は8月31日で終了し、10月1日にピーチ便として再開予定。