倒木被害防止に向け連携 九電事業所と県内初協定 奄美市
2023年06月29日
社会・経済
奄美市と九州電力送配電奄美配電事業所は28日、「風倒木被害を未然に防止するための事前伐採に関する協定」を締結した。災害時の倒木による停電や道路寸断などの被害防止が目的で、高圧配電線の断線など、災害発生時に被害を及ぼす恐れのある樹木の調査や事前伐採に、市と事業所が協力して取り組む。九電の関連事業所と県内自治体との同協定の締結は初めて。
九州電力送配電鹿児島支社は2021年5月に鹿児島県と「災害時における相互連携に関する協定」を締結。倒木による被害防止対策の協議を進めており、県も各市町村に対し、関係部署と地域事業所との連携に努めるよう発信。
奄美市と市を管轄する九電奄美配電事業所との協定締結はこうした流れを受けたもので、役割分担や事前伐採をより具体的に進める。今後は市内の事前伐採箇所の選定や、伐採開始時期を市担当課(防災、土木、農林)と協議する。
奄美市役所であった締結式では、安田壮平市長と九電奄美配電事業所の福永秀樹所長が協定書に調印。安田市長は「台風常襲地帯に属する奄美市にとって、協定は心強い。さらなる連携強化を図り、防災対策に取り組みたい」と話した。福永所長は「風倒木による被害の未然防止は大きな課題のひとつ。今後も地域に恩返しできるよう努めたい」と話した。