喜界島通信所へ初降下訓練 第1空挺団、今後も実施に意欲 陸上自衛隊

2024年05月26日

社会・経済 

喜界島通信所グラウンドへの自由降下訓練を行う陸自第1空挺団=25日、喜界町

陸上自衛隊第1空挺(くうてい)団(千葉、習志野駐屯地)は25日、喜界町川嶺の防衛省情報本部喜界島通信所へのパラシュート降下訓練を行った。同通信所への降下訓練は初めて。偵察部隊などが行う高い高度からの「自由降下(フリーフォール)」と呼ばれる訓練で、延べ約20人が降下。第1空挺団長兼習志野駐屯地司令の若松純也陸将補は「演習場にはない島独特の環境で行う訓練は極めて大事」と話し、今後の同島での降下訓練実施にも意欲を示した。

 

同日午前10時半ごろ、同通信所のグラウンドに駐機していた陸自CH47輸送ヘリに同団の隊員らが乗り込み、離陸。高度を上げた機体の後部から隊員3~4人ずつが一団となり、降下を繰り返した。降下高度は約1000~3500メートル。一部の隊員はグラウンド周囲の木立などに着地したが、自衛隊関係者によると想定していた降下範囲内への着地。同訓練は午後も行われた。

 

若松陸将補は「喜界島でのフリーフォールは初めてなので、実施できてよかった。われわれは『息をしている』と表現するが、風が巻くなど、演習場にはない島独特の海風、環境がある。生地(せいち)で行う訓練は極めて大事で、練度も向上できる。喜界町の方々の理解があって実のある訓練ができ、大変感謝している」と話した。

 

島内では公道や高台など各所から地域住民や観光客が訓練の様子を見守った。通信所近くの高台には午前、約20人が見学に訪れ、隊員が無事に着地すると拍手が起こった。見学者からは「どんな気持ちかな」「降りた人と話をしてみたいね」などの声も。手久津久の上間一寛さん(76)は「今まで見たことがなかったので、今回は見てみたいと思って来た。応援しているので、頑張ってほしい」と話した。

 

26日に予定していた降下訓練は、天候不良が予想されるため中止となった。