奄美大島の適正キャパは? 観光の在り方考える アマミノミライ
2025年01月20日
社会・経済

奄美の観光の在り方について意見交換したアマミノミライの第9回会合=19日、奄美市名瀬
奄美大島で異業種交流を進める任意団体「アマミノミライ」(勝眞一郎代表)の第9回会合が19日、奄美市名瀬のライブハウスASIVIであった。観光や地域振興に携わる6人のパネリストが登壇。消費される観光地ではなく、地域と利用者を再生させる観光の在り方について、来場者と一緒に考えた。
会合は、2011年に始まり、さまざまな課題を取り上げて不定期に開催している。今回のテーマは「島の観光客適正受け入れサイズを考えてみよう」。司会進行は勝代表が務めた。
パネリストは▽観光客が求めるサービスとキャパシティーの問題▽人が殺到して高まる環境負荷▽観光客増加による住民生活への影響―など、それぞれの立場から見える課題と現状について情報を共有した。
飲食店のキャパシティーに話題が及ぶと、「LCC(格安航空会社)就航後、週末は特に居酒屋が(満席で)入れない状態。自然と島の人でも事前予約するようになった。数日後を意識することが、島の人のテンポ感など何かしら文化的な気質に影響が出てくるのでは」という声も。
「観光スポットに行くのではなく、異文化体験をしたい人もいる」「ツアー客は世界自然遺産になる10年以上前からコースが全く変わっていない。島の見せ方をもう一度考えていく必要がある」「文化や自然に興味を持ち、地元住民と交流して、またその人たちに会いたいというリピーターを増やしていくことが適正なキャパシティーの判断材料になる」などと活発に意見を交わした。
来場者からは「これからは観光よりも関係を深めていく必要があるのでは」「きょうのような情報交換の場をもっと設けてほしい」といった声が上がった。