琉球弧「みき」サミット始まる パネルで特徴、歴史など紹介 奄美市名瀬
2024年10月08日
社会・経済
奄美群島以南の南西諸島で製造されている「みき」について学ぶイベント、「琉球弧『みき』サミット2024」(NPO法人来間島まなびやー主催)が7日、奄美大島会場を皮切りに始まった。初日は奄美市名瀬のアマホームPLAZAでパネル展示や座談会があり、来場者は奄美群島と沖縄県各地で製造される「みき」の特徴や作り手の思いなどに理解を深めた。
「みき」は米や粟(あわ)、麦、芋などを原料に作られる飲料。神に備える酒「神酒(みき)」に由来し、現在も豊年祭などの祭祀(さいし)に欠かせない存在であるほか、最新の研究では乳酸菌を豊富に含む健康飲料としても注目されている。
島ごとに材料や製法が異なり、個性と多様性を持つ「みき」を通じて島々と人々をつなぎ、継承していこうと、2023年に「琉球弧『みき』プロジェクト」が始動。サミットは地域のアイデンティティーや誇りを高め、地域社会や文化の持続性を向上などを目的に、24年度沖縄文化芸術の創造発信支援事業を活用して開催した。
奄美大島会場では31枚のパネルを展示。奄美群島と沖縄の計10地域の関係者と「みき」との出合い、製造への思いを描いた物語、各地域で作られている「みき」の特徴や歴史、原材料の違いなどを紹介している。
今年度のサミットはプレ開催。奄美大島からスタートし、12月にかけて沖縄本島、宮古島、石垣島の計4会場で実施する。プロジェクトリーダーで同法人理事長の砂川葉子さん(49)は「島ごとに言葉が異なるように、『みき』の島別の個性や多様性を感じてほしい。次回以降は本開催を目指し、各地域の『みき』の飲み比べや講演会なども実施したい」と話した。
奄美大島会場の展示は13日まで。開場時間は午前9時~午後9時(13日は午後5時まで)。