空の便、運航再開続々 鹿児島便は欠航続く 奄美群島

2023年08月10日

社会・経済 

群島間や東京、大阪、福岡、那覇を結ぶ便の運航が再開した奄美空港。予約変更の手続きに訪れる利用客の姿も多く見られた=9日、奄美市笠利町

奄美群島の空の便は9日、奄美群島間と東京、大阪、福岡、那覇と島々を結ぶ便が運航を再開した。各島と鹿児島を結ぶ便はすべて欠航したものの、東京や福岡、徳之島などとの臨時便も運航し、奄美市笠利町の奄美空港には再開を待ち望んだ利用客が次々と訪れた。大きな混雑は見られなかったが、飛行機の到着遅れなどで複数の出発便に遅延が発生。空港ロビーでは保安検査場前まで別れを惜しむ家族連れや、長引く滞在に疲れ切った人々などさまざまな姿が見られた。10日は福岡―奄美大島、鹿児島―各島を結ぶ一部便で欠航が決まっている。

 

兵庫県から龍郷町の家族のもとへ帰省していた濱田ひとみさん(63)、仲松紗蘭さん(12)ら家族6人は「6日の予約便が欠航し、滞在が延長に。楽しみにしていた海遊びもカヌーも無く残念だったが、奄美パークで八月踊りを教わり家で練習したり、ドライブしたり雨を避けて過ごした」と笑顔で話し、延長を前向きにとらえ滞在を楽しんだ様子だった。

 

一方、相撲競技の大会出場のため来島していた伊仙町の當虎太朗くん(13)ら家族は7月25日に奄美大島入り。31日の予約便が欠航し、想定外の16日間の滞在に。この日の出発便も約3時間遅延し、二人は「イオンは楽しかった。でもはやく島に帰りたい。牛に会いたい」と待ちくたびれた様子。父親の辰也さんも「こんなに滞在が長引くとは。闘牛大会も近く、島にいる牛も心配」と話した。

 

奄美高校3年の吉野純弥さん(17)は関西の大学のオープンキャンパス参加のため大阪行きの航空券を予約。2日、5日と2度のキャンセルを経てようやく出発が決まった。「オープンキャンパスに間に合ってよかった」と話し、同行する母親も「(台風6号には)お手上げ状態だった」と苦笑い。二人は「帰路の予定は決めていない。宿題に間に合うように帰ってこられたら」と吹っ切れた様子で話した。