「紬の日」で多彩なイベント 奄美市

2019年01月06日

社会・経済 

 大島紬姿で商店街を練り歩き紬の魅力をPRする参加者=5日、奄美市名瀬

大島紬姿で商店街を練り歩き紬の魅力をPRする参加者=5日、奄美市名瀬

  1月5日は奄美市が提唱する「紬の日」。第41回紬の日のつどいは同日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。本場奄美大島紬のコーディネートコンテストをはじめ、反物販売、着付け体験、紬の小物作り教室など多彩なイベントを展開。和装、洋装を問わずこだわりの一着に身を包んだ老若男女が次々と来場し、会場は正月らしい雰囲気で華やいだ。

 

 本場奄美大島紬協同組合の前田豊成理事長は「消費者に支持される製品作りはもちろん、着物文化の浸透にも力を注ぎ、紬をより身近に感じてもらう取り組みと業界の発展につなげていきたい」とあいさつした。

 

 実行委員会会長の朝山毅市長(代読)は2017年から導入した紬購入費助成制度などを挙げ「大島紬は先祖から受け継がれてきた世界に誇る織物。伝統をつなぐ後継者育成の推進に努める」と語った。

 

 大島紬の着物と小物の組み合わせを機屋が提案するコーディネートコンテストには14作品がエントリー。来場者による投票の結果、奄美市名瀬の牧絹織物が2年連続グランプリに輝いた。同社は「紬は年齢層を問わずに着られる。たくさん楽しんでほしい」と喜びを語った。

 

 会場では写真撮影サービスのほか、反物や航空券が当たる抽選会も好評だった。恒例の紬大行進は大島紬の着物や洋服で着飾った男女が商店街を練り歩き、奄美の伝統産業をPRした。

 

 紬の日は1978年に旧名瀬市が制定。同組合のまとめによると、18年生産実績(検査反数)は3862反。和装需要の低迷や職人の高齢化などが響き、34年連続の前年割れと厳しい状況が進んでいる。