キビ糖度記録的低水準 奄美群島

2018年01月31日

社会・経済 

ハーベスターで収穫されたサトウキビ=30日、奄美市笠利町須野

ハーベスターで収穫されたサトウキビ=30日、奄美市笠利町須野

 収穫作業が進む2017年産サトウキビの糖度が記録的な低水準で推移している。奄美群島の大型製糖工場で原料キビの平均糖度が基準糖度帯(13・1~

14・3度)に入っているのは奄美大島の富国製糖のみ。特に喜界島の生和糖業と徳之島の南西糖業は11度台で低迷している。

 

 製糖5社の2017~18年期操業は、富国製糖を除き昨年12月スタート。買い入れ原料の平均糖度は1月29日現在=南西糖業は28日現在=▽富国製糖13・14度(前期同時期13・98度)▽生和糖業11・45度(同13・71度)▽南西糖業11・

83度(同13・43度)▽沖永良部島の南栄糖業12・38度(同14・05度)▽与論島製糖

12・48度(同14・5度)。

 

 製糖各社によると、糖度の低迷は昨年秋襲来した台風による潮風害と収穫期入り後の曇天や雨が影響している。例年、糖度は収穫期入り後に上昇していくが、今期は伸びが鈍いという。

 

 今期のキビ1㌧当たりの生産者手取りは糖度13・7度で2万1753円。手取りは収量と糖度によって増減するため、一部で収穫を先送りし、糖度上昇を待つ動きも出ている。

 

 奄美5社の前期最終平均糖度は富国14・49度、生和14・29度、南西13・87度、南栄

15・02度、与論島15度。過去10年では12産の与論島11・93度が最低。

 

 沖縄県の業界団体日本分蜜糖工業会によると、沖縄でも糖度は前期を下回って推移している。離島の含蜜糖(黒糖)製造工場の買い入れ分を含めた全県平均甘しゃ糖度は1月20日現在、13・1度(前期同時期13・9)となっている。