ハイマースが現地入り 日米合同訓練へ準備 奄美大島

2023年09月13日

社会・経済 

米陸軍の揚陸艇「CALABОZA(カラボザ)」のハッチから降りてくるハイマース。地域住民らも見学に訪れた=12日、奄美市名瀬

奄美大島で18~23日に行われる陸上自衛隊と米陸軍による日米合同訓練「オリエント・シールド23」を前に、米陸軍の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を積載した米軍揚陸艇が12日、奄美市名瀬港に寄港した。

 

米陸軍の揚陸艇「CALABОZA(カラボザ)」は午前7時ごろ、名瀬港観光船バースへ入港。コンテナなどを陸揚げした後、名瀬中央青果市場前の船揚場へ移動し、船首のハッチからハイマース3台などを降ろした。ハイマースは陸上のトレーラーへ積み込まれ、奄美駐屯地へ輸送。揚陸艇は午後4時半すぎに名瀬港を出港した。

 

トレーラーへと積み込まれるハイマース。車両後部に6本のロケット弾収納部が確認できる=12日、奄美市名瀬

「ハイマース」は、軍事車両にロケット弾の発射システムを搭載した自走式の兵器。1台の車両に6発のロケット弾を搭載する。少人数での操作が可能で、従来のロケット砲よりも機動性が高く、GPSを使って高い精度で標的を攻撃できるとされる。ロシアの軍事侵攻を受けたウクライナに米軍が供与した。ハイマースが奄美大島に展開するのは、昨年夏の「オリエント・シールド」、昨年秋の「キーン・ソード」に続き3回目。

 

陸幕広報室によると12日現在、奄美大島で行う訓練の一般、報道公開の予定はない。名瀬港や奄美市の名瀬運動公園で展開する予定の物資輸送訓練について、奄美市防災危機管理室は「名瀬運動公園では駐車場の一部を陸上自衛隊が使用し、物資の一部を仮置きする。周辺には人員を配置し、安全に配慮すると聞いている。それ以外の立ち入り規制は、今のところ予定していない」としている。