ブランド確立に向け意見交換 奄美大島

2020年01月23日

社会・経済 

光センサー選果機の実演=22日、奄美市名瀬

光センサー選果機の実演=22日、奄美市名瀬

 「奄美たんかん」のブランド確立に向け、生産者、JA、名瀬中央青果、仲買人らが意見を交わす会合が22日、奄美市名瀬朝戸の奄美大島選果場であった。光センサー選果機の実演などがあり、その有用性を確認するとともに、品質統一を図っていくことを確認した。

 JAあまみ大島事業本部の2018年度産タンカン出荷量は、選果場が開設した13年度以降で過去最低を記録。実際の出荷量が生産者が出荷申請していた計画量を大きく下回り、JAは共販先に出荷できずにクレームが相次いだ。多くは買い取り価格が高騰していた市場へ売りに出されたと見られている。

 選果場の経営も持ち込み量が採算ラインを割って赤字に。一方、市場では生産者が選果場を通さずに出荷してくるため、品質にばらつきがあり、ブランドの確立を妨げている。

 会合はこうした「奄美たんかん」を取り巻く課題を関係機関が協力して解決していくことを目的に昨年4月、JAあまみ大島事業本部果樹専門部会(大海昌平部会長)が主催して初開催。2回目となった今回の会合には関係者約40人が参加した。

 光センサー選果機を稼働させて、糖度など内部品質や外部の傷を瞬時に測定できる機能を確認した後、意見交換に入った。

 出席者からは、高い品質を維持してブランド化を進めるためには「光センサーを通したものしか出荷できないという流れが必要」などの意見があったほか、未成熟や低品質の果実を出荷しないよう名瀬中央青果への指導員配置や、規格外品など加工品用の果実を置く場所の確保を要望する声もあった。

 このほか、光センサーを通した果実の取扱店に専用のぼりを配布するとの説明もあった。

意見交換する関係者=22日、奄美市名瀬

意見交換する関係者=22日、奄美市名瀬