ボタンボウフウ生産拡大へ 生産者に栽培方法など説明 喜界島薬草農園

2022年09月15日

社会・経済 

栽培上の注意点など、情報を共有したボタンボウフウ生産者説明会=6日、喜界町

喜界町で栽培されている薬草ボタンボウフウの生産者説明会がこのほど、同町内の集宴会施設で開かれた。島内の生産者13人が出席。喜界島薬草農園(喜界町阿伝、石原健夫代表取締役)の担当者らが生産者の新規参入を呼び掛けるとともに、栽培上の注意点や効果的な栽培方法などを説明した。

 

ボタンボウフウは、喜界島ではサクナやサクナーと呼ばれるセリ科の植物。ボタンボウフウ由来のクロロゲン酸は血糖値の上昇抑制効果が確認されている。同農園では2013年に栽培や加工品製造販売を開始しており、12月から6月にかけて、収穫・加工作業などを行っている。21年度の収穫実績は約20トン。今年度は25戸の農家と生産契約を結んでいる。

 

石原代表は「設立から10年だが、生産農家の皆さんのおかげで、栽培も販売も安定してきた」とあいさつ。ボタンボウフウに含まれ、抗酸化作用や脂肪蓄積の抑止効果があるとされるクロロゲン酸の含有量維持の技術向上などにも触れ、地域を担う産業としての可能性も強調した。

 

濵田隼工場長は、作業負担の大きい雑草の処理などが今後の増産体制で重要になってくると説明。負担軽減のために、土に還る素材のマルチシートの有効性などを強調した。

 

生産者は、マルチシートの使い方やサトウキビ畑からボタンボウフウ畑への転換方法などを質問。渡辺前二専務取締役は「生産量も生産者も増やしていきたい」と述べ、今後の生産規模拡大にも期待した。