ライチ栽培、収穫目指す 「稼げる農業」の一つに NPO法人あまみむすび 龍郷町

2023年04月28日

社会・経済 

ライチの苗木を植えるNPO法人「あまみむすび」の(左から)進藤浩さん、濱島裕樹理事長、飯田圭太郎さん=27日、龍郷町大勝

持続可能な第1次産業を通じたまちづくりを目指すNPO法人「あまみむすび」(龍郷町、濱島裕樹理事長)がこのほど発足し、同町大勝の農地で27日、中国原産のフルーツ「ライチ」の栽培を始めた。果実収穫は3~5年後の見込み。奄美は本土に比べて気候的に適しているとみており、濱島理事長(39)は「試行錯誤を重ねて形にしたい。いずれは『稼げる農業』の一つとなれば」と期待を込めた。

 

同法人は2月設立。地元漁協や奄美群島内外の各種事業者を団体社員とし、今年度は▽農漁業関係者と意見交換▽「おさかな祭り」「子ども食堂」などイベント開催▽地場産食材利用啓発・食育活動―などを計画している。

 

ライチ栽培は、濱島理事長と知人を介して知り合った岐阜県の貿易会社役員、進藤浩さん(34)=同法人社員=が提案。幼少期をライチ産地の中国で過ごしており「輸入した冷凍ライチではなく、地場産『生ライチ』のおいしさを日本でも広めたい」と考えた。

 

冬も最低気温が氷点下にならない亜熱帯気候が栽培に適しているとされ、国内では九州南部を中心にハウス栽培されている。進藤さんは「奄美の暖かい気候を生かせる作物。国内では潜在的な市場価値が高く、奄美の新たなブランド商品にもなりうる」と語った。

 

まずは同法人社員の飯田圭太郎さん(39)が管理する農場に苗木70本ほどを植え付け、中国から専門家の助言も受けつつハウスで囲まない「露地栽培」を試みる。順調に生育すれば、成長した樹木の枝先に、外見は赤く中身は白いジューシーな果実が成るという。