一部地域で駆除の効果/喜界島アリモドキゾウムシ根絶

2014年09月04日

社会・経済 

寄主植物の駆除作業に取り組む喜界町志戸桶集落の住民ら(喜界町提供)

寄主植物の駆除作業に取り組む喜界町志戸桶集落の住民ら(喜界町提供)

 県が喜界島で進めているアリモドキゾウムシ根絶事業は2014年度、島の北部でヘリコプターからの誘殺板散布を開始するなど、根絶への取り組みが加速している。大島支庁農政普及課によると、これまで特に不妊虫放飼や誘殺板散布などを重点的に取り組んできた南西部の一部のエリアで寄主植物を採取して切開調査したところ、野生虫は確認されておらず、同課では「一定の効果が確認されたといえる」と評価。寄主植物の島内移動制限など、地域住民の協力も得ながら根絶への取り組みを継続する。
 アリモドキゾウムシはイモ類を食害する特殊病害虫で奄美群島や沖縄県、トカラ列島などに生息する。ノアサガオやグンバイヒルガオに寄生し、食害を受けたイモ類は悪臭と強い苦味が出る。植物防疫法により発生地域からの持ち出しが規制されている。
 根絶を目指す取り組みについては地元の関心も高く、喜界町産業課によると、毎年、島内の集落で住民参加によるグンバイヒルガオなど寄主植物の除去作業を実施。県、町は今後も住民への啓発を含めて、連携し取り組む姿勢だ。