中小企業の資金調達をサポート 奄信金と商工中金 シンジケートローン業務で連携

2022年12月03日

社会・経済 

「シンジケートローン業務における連携・協力に関する覚書」を結んだ奄美大島信用金庫の伊東理事長(写真右)と商工組合中央金庫鹿児島支店の矢代支店長=11月30日、奄美市名瀬

奄美大島信用金庫(伊東寛久理事長)は2日、商工組合中央金庫(東京・関根正裕代表取締役)と「シンジケートローン業務における連携・協力に関する覚書」を締結した。同信用金庫がシンジケートローン関連で協定を締結したのは初めて。大口の資金調達や財務構造改善などに取り組む地域の中小企業を後押しし、経済活性化を図る。

 

シンジケートローンは法人融資の一種で、一つの企業(顧客)に対し複数の金融機関が連携してシンジケート団を組成、融資を行う。一つの金融機関だけでは抱えきれない多額の融資を、複数の金融機関で分け合い対応することで金融機関側のリスクを分散でき、アレンジャー(幹事役)となる金融機関は手数料を得ることもできる。顧客は複数の金融機関と個別に交渉する必要がなく、アレンジャーとの交渉のみで複数の機関から融資を受けることが可能となる。

 

11月30日に奄美市名瀬の同信用金庫本店で行われた調印式で、伊東理事長は「世界自然遺産への登録などに伴い、奄美は注目を集める地域となった。観光施設などへの投資にも繋がると予想する。連携を強化することで地域経済の発展に貢献したい」と効果を期待。商工中金鹿児島支店の矢代雄一朗支店長は「商工中金の金融機能をうまく使っていただき、奄美の地域経済に貢献できれば」と語った。