共通課題の解決探る 徳之島、沖永良部の畑かん マイスター意見交換会

2023年10月05日

社会・経済 

両島のマイスターと農政関係者約30人が参加した意見交換会=4日、徳之島町

徳之島・沖永良部島畑かんマイスター意見交換会(徳之島地域畑かんマイスター連携会議主催)が4日、徳之島町の県大島支庁徳之島事務所で開かれた。徳之島9人、沖永良部3人の畑かんマイスターや県、各町の農政関係者ら計約30人が参加。徳之島内のほ場を見学した後、両島の実情や畑かん営農推進への取り組みについて意見交換して互いの取り組みの特徴などの情報を共有するとともに、共通課題の解決策などを探った。

 

畑かんマイスターは、かんがいを活用した営農で実績がある生産者が就任し、畑かん利用の普及と理解を推進する制度。両島ともに2015年から導入し、現在、徳之島は15人、沖永良部島では7人がマイスターを務めている。意見交換会は18年に沖永良部で初開催し、年ごとに2島持ち回りで開催。新型コロナウイルス禍の中断をはさみ今回で4回目。

 

参加者は徳之島のマイスターのほ場5カ所と徳之島ダムを見学した後、同事務所で意見交換。スプリンクラーの利用料や農作業の受委託体制、近年の資材高騰対策、後継者不足などさまざまな分野で積極的に情報や意見を交わした。

 

沖永良部島畑かんマイスター会長の大勝尚幸さん(71)=和泊町国頭=は「徳之島では沖永良部よりも数多くの品目に着手している。沖永良部に比べて散水の費用が安く抑えられていることも分かった」と意見交換を振り返り、「今後も話し合いの場を継続して共通課題の解決に結び付けていきたい」と話した。

 

徳之島畑かんマイスター会長の富田良一さん(59)=徳之島町亀津=は「沖永良部で実験中の遠隔操作での水管理や、動画配信サービスを活用した『畑かん営農チャンネル』など、徳之島では着手していない取り組みに感心した。沖永良部は農業の先進地。私たちも見習ってもっとチャレンジしていきたい」と交流を振り返った。