台風への備えを確認 名瀬港で定期船を訪船指導 奄美海保

2023年06月28日

社会・経済 

フェリーとしま2で台風への備えを確認した奄美海上保安部の訪船指導=27日、奄美市名瀬

奄美海上保安部(樋口則一部長)は27日、奄美市名瀬の名瀬港佐大熊地区に入港中の「フェリーとしま2」(1953トン、旅客定員297人)を訪れ、台風海難防止のための取り組みを指導した。海保職員3人が台風海難防止を呼び掛けるリーフレットやポスターを配布。いかりを下ろしたまま船が流れる走錨への注意を喚起し、安全な航行や緊急時に役立つ無線システムの確認などを行った。

 

本指導は、2023年度「台風海難防止強調運動(21~30日)」の一環で台風シーズンを前に、台風への認識や海難防止意識の向上を図るのが目的。▽台風情報の早期把握と継続的な情報収集▽早期避難と保船対策▽適切な避泊場所の選定と事前調査▽走錨に対する安全対策▽(遭難や緊急、安全用無線)国際VHFch16の常時聴取─を重点事項に設定している。

 

フェリーとしま2は十島村の村営で、トカラ列島の有人7島と鹿児島本土、奄美大島を週2回結ぶ定期船。時期により臨時便も運航される。

 

中村幸喜船長(51)によると台風時の避難場所は選定済で、これまで走錨もない。一方で、近年の台風の大型化を危惧し「十島村は台風に伴ううねりの影響を直接受けるため、どの港まで運航できるかを一番気にしている。早めの情報収集を心掛けたい」と話した。