地域振興や観光施策など提案 県、町の若手職員が研究成果発表 沖永良島

2024年02月18日

社会・経済 

取り組んだ課題について発表した沖永良部地域みじらしゃプロジェクト研究成果発表会=16日、知名町

沖永良部地域みじらしゃプロジェクト(えらぶの地域振興を考える会)研究成果発表会は16日、知名町立中央公民館であった。県沖永良部事務所、和泊、知名両町の若手職員による独自の取り組みで、年間を通して地域振興について研究し、得られた成果を発表。島にある建物に絵を描き、観光資源とするアートプロジェクトによる観光振興策や空き家改修を進めるための仕組みづくりなどさまざまな提案があった。

 

プロジェクトは島の現状、課題を把握し、今後の地域振興の在り方や観光振興策などを検討する目的で2023年6月に始動。メンバーは同3機関の若手職員25人で研究会(グループワーク)や勉強会を重ねてきた。この日はテーマごとに4グループがそれぞれ発表した。

A班は移住者を増やす方策について、移住に興味のある人はいるが、住まい不足で対応し切れていない課題を指摘。具体策として、移住者向けの物件の貸し出しを促す制度や空き家改修を促す仕組みづくりなどを提案した。

 

アートプロジェクトを提案したB班は、島にアートを根付かせるため、ファームポンド(貯水槽)に絵を描いてもらうイベント開催などを企画。「アートの島として新たな付加価値をつけ、より魅力的で多くの人が遊びに来てくれるような島に。それに付随する形で他産業も盛り上がる地域振興になるのが理想」とした。

 

C班は自転車を活用した持続可能な地域振興策として、ニーズに合わせたサイクリングコースの設定やイベント開催を発案。D班は空き家改修・活用に向けたソフト事業に注目し、空き家をDIYに興味がある人などで改修する体験プロジェクトなどを提案した。

 

和泊町の前登志朗町長、知名町の今井力夫町長、大島支庁の新川康枝支庁長がそれぞれ各班の発表について講評。新川支庁長は気付いた点として「沖永良部に合っているのか、沖永良部の課題解決につながるのかなど、いろんなエビデンス(根拠)を持った上で企画をするのが大事。今回の経験を自分の業務や業務を離れた地域づくりなどに生かしてほしい」などと助言した。