奄美の初乗り上限600円に 31年ぶりタクシー運賃改定 3月25日から適用

2024年02月23日

社会・経済 

    九州運輸局は22日、奄美群島内で適用される新たなタクシー運賃を公示した。初乗り運賃(1・3キロまで)の上限を現行から80円引き上げ600円とし、370メートルごとの加算運賃を100円とする。奄美でのタクシー運賃改定は1993年以来31年ぶり。新運賃は3月25日から適用される。

 

タクシーの運賃改定は、地区ごとに事業者が各地方運輸局に申請し、全体車両数の7割を超える申請があれば審査を始める仕組み。奄美地区では2023年9月以降、25社(207台)中14社(162台)が運賃値上げを九州運輸局に申請していた。同局がその後の審査で改定が必要と判断。14社のうち標準的な経営を行う8社(104台)の24年度の赤字見込みが4419万1千円になると査定し、必要な増収率を18・21%とした。

 

奄美地区のタクシー運賃は現在、初乗りが小型車で520円、中型車で560円、走行距離に応じた加算運賃(加算距離・小型車402メートル、中型車359メートル)はいずれも90円となっている。運賃改定後は、小型車と中型車の車種区分が廃止となり、「普通車」に統合される。

 

タクシー業界を巡っては、新型コロナウイルス禍で利用者が激減し運転手不足も深刻化した。燃料費高騰も事業者の厳しい経営に追い打ちをかけ、こうした背景からタクシー運賃引き上げの動きは全国各地に広がっている。

 

県内では県本土が主の鹿児島A地区と西之表市、熊毛郡、鹿児島郡の鹿児島B地区で、昨年8月から普通車初乗りの上限が60~80円上がり700円となった。