奄美市で創業支援セミナー

2019年06月29日

社会・経済 

民泊の事業例について説明をする比嘉将貴さん(左)と古薗孝太さん(右)=28日、奄美市名瀬

民泊の事業例について説明をする比嘉将貴さん(左)と古薗孝太さん(右)=28日、奄美市名瀬

 民泊を始めたいと考えている個人や事業所を対象にした民泊創業支援セミナーが27、28の両日、奄美市名瀬のホテルであった。奄美産業活性化協議会の主催。市民ら約40人が出席し、民泊の市場や具体的な創業手続き、開業事例などを学び、活発に意見を交換。関心の高さをうかがわせた。

 

 セミナーの講師は沖縄で民泊を支援している企業「とまれる沖縄株式会社」の比嘉将貴さんが務めた。比嘉さんは豊富なサポート事例から、民泊の現状や課題解決方法を提示した。

 

 比嘉さんは民泊を始める制度上の選択肢を二つ提示。建造物に要件がある「旅館業法」(簡易宿泊所、旅館ホテル)と、自治体に届け出すれば住宅で営業できる「住宅宿泊事業法」(民泊新法)。民泊新法で営業するには年間180日という制限がある。

 

 先進事例として奄美市住用町の「すみよう体験民宿グループモダマの会」を運営するNPO法人「すみようヤムラランド」の古薗孝太事務局長が発表。少人数だからこそできる柔軟なおもてなしや、リピーターの増加傾向について話した。

 

 会場からは「盗難や損壊があったらどうするか」「危険な客はどう防げばいいのか」などの質問が上がった。

 

 比嘉さんは備品の盗難や家具損壊のリスクに備え、保険に加入するべきと回答。過去の事例で、宿泊者がトイレを壊してしまった際に、予約仲介業者の保険で対処したことを説明した。

 

 また宿泊者については「予約を問い合わせる段階で対話を重ね、宿泊客の性格を分析して防いだ方がいい。事前の対話は誘客のチャンスにもなる」と助言した。

 

 参加した奄美市の女性(49)は「安さが魅力で旅先では民泊をよく利用している。子連れのママにとって民泊は強い味方。自分でも開いて貢献したいが、価格と収益が見合うのかが気になっていた。参考にしたい」と話した。