奄美群島は6万人台に 2050年の推計人口、34%減 龍郷町は減少率県内最低

2023年12月27日

政治・行政

 国立社会保障・人口問題研究所は22日、2020年の国勢調査に基づく「日本の地域別将来推計人口」を発表した。2050年の鹿児島県の人口を20年比26・3%減の117万1千人、奄美群島の人口を同年比34・3%減の6万8533人と試算。群島12市町村すべてで人口は減少し、30年間の減少率は大和村46・5%が最も高く、龍郷町12・5%が最も低い見込み。龍郷町の減少率は県内の自治体でも最も低い見込みだ。

 

同研究所は厚生労働省所属の調査研究機関。推計人口は20年の国勢調査に基づいて試算した50年まで30年間(5年ごと)の人口を都道府県別や性別、年齢別などでまとめている。

 

20年をベースにした群島各市町村の50年の人口減少率見込みは▽奄美市35%▽大和村46・5%▽宇検村31・6%▽瀬戸内町35・5%▽龍郷町12・5%▽喜界町41・3%▽徳之島町39・2%▽天城町37・8%▽伊仙町30・8%▽和泊町35・4%▽知名町36・9%▽与論町26・1%。

 

県内でも最も減少率が低いと見込まれる龍郷町は、空港がある奄美市笠利町と都市部の同市名瀬の間に位置し、中心地は交通量の多い国道沿線。中心地から離れた地域で少子高齢化が進む一方、海岸沿いのリゾート・別荘地開発に伴う移住転入増加などにより、町内人口は6千人前後を長く維持している。

 

県内で減少率が高い見込みとなっているのは南大隅町61・2%、錦江町55・8%、垂水市52・0%、湧水町50・5%、阿久根市50・4%など。減少率が低いのは龍郷町を筆頭に姶良市15・5%、鹿児島市16・0%、霧島市18・0%、鹿屋市22・6%―と続いている。

 

全国の状況をみると、50年人口は東京都を除く全道府県で20年を下回り、11県は減少率が30%を超える見込み。65歳以上が総人口の半数以上を占める市区町村が3割を超え、0~14歳人口はほぼすべての市区町村で20年を下回る予想だ。