差別ない社会へ誓い新た 奄美和光園で合同慰霊祭

2023年11月03日

社会・経済 

奄美和光園で開かれた合同慰霊祭=2日、奄美市名瀬

奄美市名瀬の国立療養所奄美和光園(馬場まゆみ園長)は2日、同園講堂で2023年度の合同慰霊祭を執り行った。入所者や遺族、園職員、来賓らが参列し、405柱のみ霊の安らかな冥福を祈るとともに、ハンセン病に対する差別や偏見のない社会づくりへの誓いを新たにした。

 

2日現在の同園の入所者は11人(男3人、女8人)。10年前の13年度は41人で、減少の一途をたどっており、この1年間でも6人が亡くなった。11人の年齢は75~96歳で、平均87・6歳と高齢化が進んでいる。

 

馬場園長はみ霊に追悼の言葉を贈るとともに、「入所者一人一人の生命の尊厳と人権を守り、豊かな自然環境に包まれた穏やかで心豊かな療養生活と、安全で安心できる医療の提供に向け、今後も職員一人一人が一層、精進していくことを改めて誓う」と述べた。

 

遺族代表は「(ハンセン病に対する)人の心のバリアが完全になくなることが、故人と私たち遺族の切なる思いであり、願い」と訴えた。

 

最後は参列者全員が祭壇に献花。その後、園内の納骨堂へ移動し、焼香した。

 

奄美和光園では30日、同園の創立80周年記念式典が開かれる。