徳三宝の生涯を漫画化 3千冊、島内3町に配布 天城町

2024年03月14日

社会・経済 

完成式典出席者=12日、天城町

明治から昭和にかけて活躍した徳之島出身の柔道家、徳三宝の生涯をまとめた漫画「徳三宝物語」が完成し、12日、天城町役場で完成式典が開かれた。約3千冊を島内3町の小中学校、高校などに配布する。

 

徳は1887(明治20)年生まれ、天城町兼久出身。1906年に柔道の総本山講道館に入門し、後に講道館最高位の10段に昇格した三船久蔵氏、田畑昇太郎氏との名勝負で全国に名を知らしめた。1945年3月10日の東京大空襲で被災し死去した。享年59。

 

漫画化はB&G(ブルーシー・アンド・グリーンランド)財団が2021年度から実施している「偉人マンガの製作と活用事業」の予算300万円を活用。天城町が23年度事業で着手し、NPO「マンガプロジェクト鹿児島」(鹿児島市)の協力を得て、徳の縁者や町内の教育関係者などで構成する徳三宝マンガ制作活用検討委員会が企画・監修した。

 

式典には森田弘光町長、B&G財団の菅原悟志理事長ら関係者約30人が出席。徳之島が生んだ傑物の生涯を分かりやすく学べる同書の完成を祝った。島内のすべての子どもたちに手に取ってほしいという趣旨から、式には徳之島町の福宏人教育長、伊仙町の伊田正則教育長も招かれ、同書が贈呈された。

 

菅原理事長は、23年度までに全国100自治体で郷土の偉人伝の漫画化が実現したと紹介し、「徳之島の子どもたちが故郷に愛着と誇りを持てるように、今後もさまざまな形で支援を続けたい」と語った。

 

完成した「徳三宝物語」

 

同書は「柔道一代 徳三宝」(指宿英造著、南方新社刊)を原作に、県内在住の漫画家「ダムダム」さんが作画を手掛けた。A5判、108ページ。非売品で増刷の予定はないという。