新ブランドは「徳之島宝赤」 商標登録を町に報告 ピタヤ研究会

2022年12月02日

社会・経済 

高岡町長に徳之島宝赤を手渡す米山会長(中央)と登録証を手にする熊元さん=11月28日、徳之島町役場

徳之島ピタヤ研究会(米山寿八郎会長、会員6人)が開発を進めてきたピタヤ(ドラゴンフルーツ)の新ブランド「徳之島宝赤(ほうせき)」がこのほど商標登録され、米山会長(72)=伊仙町阿権=と同会会員の熊元与八郎さん(60)=徳之島町花徳=が11月28日、徳之島町役場と伊仙町役場を訪問して登録を報告した。報告を受け高岡秀規徳之島町長は「町の新たな産物となる可能性がある。ブランドの知名度を上げて生産者の所得向上につなげてほしい」と期待を寄せた。

 

ピタヤはサボテン科の植物の果実で、開花後30~40日で収穫できる。収穫期は7~11月で、露地栽培でき、台風にもある程度強いため、パッションフルーツに続くトロピカルフルーツとして期待が高まっている。

 

現在同会には生産者6人が所属。米山会長らは約30年前からピタヤの栽培を始め、糖度が高くおいしい株を選定するなどして品種改良に努めてきた。特許庁に商標登録を出願し、9月16日付で登録が認可された。

 

徳之島宝赤は果肉の色が赤、白、桃の3色あり、通常のピタヤよりも糖度が高いのが特徴。既に東京都内の高級果実専門店で試食会を開くなど販路拡大に向けて動き出しており、消費者からは「これまでのピタヤのイメージを変える」と高評価を得ているという。

 

米山会長は「ピタヤは品質にばらつきがあり、よい実がなる株にめぐり合うまでが大変だったが、今では安定した品質で生産できるようになってきている」と話し、「今後の課題は収量の増加と知名度の向上。これまで培ってきた技術を共有して生産者を増やしたい」と力を込めた。

 

登録を支援してきた県農業普及課は「まだ徳之島に適した栽培法などを模索している状況だが、今後は10アール当たり2トンの収穫が目標。徳之島では少ない夏場の換金作物として普及を図り、農家の所得向上につなげたい」と話した。