民間有志で製糖作業 昔ながらの製法に挑戦 試行錯誤し古里の魅力発信 伊仙町

2023年01月20日

社会・経済 

昔ながらの製糖作業に挑戦する参加者=17日、伊仙町伊仙

【徳之島総局】古里の伊仙町で交流人口拡大に取り組む嶺山兼人さん(68)=大阪府和泉市=らによる黒糖作りが17日、同町伊仙の嶺山さん所有の民泊施設であった。嶺山さんの同級生を中心とした有志約30人が参加。試行錯誤で昔ながらの黒糖作りに挑戦した。

 

嶺山さんは伊仙町伊仙出身。古里の魅力を伝えるのに役立てたいと、実家の牛小屋兼納屋を民泊施設に改築するなど地域振興に努めている。黒糖作りは学生などの体験活動メニューとして活用する目的で実施した。

 

材料のサトウキビは同町伊仙で農業を営む清則夫さん(67)が提供。16日に手作業でサトウキビ332キロを収穫し、17日午前に県農業試験場徳之島支場(同町面縄)の協力で約200リットルの汁を搾り出した。煮詰め作業の道具は手作りしたり、昔使っていた物を集めた。

 

17日午後、民泊施設であった煮詰め作業は長年、馬根小学校で黒糖作りを教えている宮重友さん(83)=同町中山=が指導。参加者らはサトウキビの搾り汁を大鍋で煮詰める作業に挑戦。火力を間違えて吹きこぼすなどのミスもあったが約2時間半かけて手作りの黒糖を完成させた。

 

参加者らは「ツワブキの葉などに黒糖を付けてもらって食べた」など思い出話にも花を咲かせながら、当時を再現して懐かしの味を楽しんだ。60代女性(同町伊仙)は「私が5~6歳のころ、父親が製糖作業していたのを思い出して懐かしさで心が温まった。この風景は地域の財産だと思う」としみじみと語った。

 

嶺山さんは「集落の魅力として昔ながらの製糖作業を再現できないかと有志に呼び掛けて実施した」と説明し、「昔の人のようにたくましく生きる力を育める島の子ども向けの体験活動にできないかと考えている。今後も継続していきたい」と展望を述べた。