減収率1%未満の見通し 全域で倒伏も折損ほぼなし 徳之島キビ被害

2020年09月08日

社会・経済 

台風10号の強風にあおられるサトウキビ=6日午前10時ごろ、徳之島町神之嶺

台風10号の強風にあおられるサトウキビ=6日午前10時ごろ、徳之島町神之嶺

  【徳之島総局】徳之島さとうきび生産対策本部(事務局・伊仙町経済課)は7日、台風10号による徳之島3町のサトウキビ被害状況をまとめた。栽培面積の90%以上で倒伏がみられたものの折損はほぼなく、葉の損傷も軽微なことから、減収量は1076トン、減収率は0・68%にとどまる見通しだ。

 

 台風10号の接近に伴い、天城町で28・8メートル、伊仙町で22・5メートルの最大瞬間風速を観測した。同島のキビ栽培面積3417ヘクタール中、倒伏被害は全倒伏(倒伏角度0~15度)34ヘクタール、半倒伏(同15~45度)1460ヘクタール、小倒伏(同45~90度)1809ヘクタール、倒伏なし(同75度以上)113ヘクタール。2週連続の台風襲来で、倒伏被害が増加した。

 

 葉の損傷は葉部裂傷が559ヘクタール、葉先裂傷2451ヘクタール、損傷なし407ヘクタール。台風通過後に適度な降雨があったため、潮風害は海岸線周辺のほ場を中心に134・2ヘクタールでの発生を見込んでいる。

 

 同本部は「台風の進路が東側にそれて通過したため、折損被害はほぼなく安堵(あんど)している。だが、2週連続の台風襲来で一部ほ場での潮風害と、島内全域にわたる葉部損傷による生育への影響が懸念される」との見解を示している。