物々交換から販路開拓へ SNSで離島のハンディ克服 和泊町のまるとよ農産

2021年07月20日

社会・経済 

新潟県から届いた特産品=17日、和泊町

 和泊町で島の農作物を栽培、直売、通信販売している「まるとよ農産」の豊枝久志さん(68)は2018年から、島外の事業者、個人との特産品の物々交換を続け、販路開拓につなげている。

 

 物々交換のきっかけは、情報発信に使っているSNS(会員制交流サイト)。インスタグラムで情報交換する中で、地域の特産品を送り合い、PRにつなげられたらと互いの利益が一致した。

 

 先日は豊枝さんから沖永良部島産のパッションフルーツや島バナナを送り、新潟県からはエゴマ、エゴマ油、古代米が届いた。送る品は相手からのリクエストも受け付け、時価も伝え、同程度のものを送り合うようにしているという。

 

 

 豊枝さんはこれまでに、新潟県のほか岐阜県、熊本県の人と物々交換し、沖永良部島産のバレイショ、マンゴー、タンカンなどを発送した。本土ではなかなか手に入らない南国の果物などが好評だ。

物々交換で豊枝さんが送った農産物の一例(島らっきょう)=17日、和泊町

 「送った相手がそれを隣近所にお裾分けすることで、新たな注文が入ることもあり、顧客獲得にもつながっている」と豊枝さん。「コロナ禍の今、離島からでもSNSを活用した販路開拓の方策は無限。個人でも始めやすく、農家支援にもつながれば」と声を弾ませた。