甘~い〝養蜂の世界〟学ぶ 笠利町の松中さん講師に 奄美手熟師会

2023年07月24日

社会・経済 

採蜜体験をする子どもたち=23日、奄美市名瀬

奄美手熟師会(岬眞晃会長)の2023年度子ども講習会「みつばちのせいたい はちみつについて」が23日、奄美市名瀬の奄美博物館であった。市内外の親子10組約30人が参加。同市笠利町の養蜂家・松中豊和さん(70)を講師に、巣枠の蜂を観察したり、採蜜体験をしたりしながら〝養蜂の世界〟について学んだ。

 

子ども講習会は、幼児から高校生までを対象とし、奄美大島の自然や文化、社会体験活動を通して「ものづくり」の楽しさを伝えることが目的。多様なジャンルの専門家を講師に招き、月1回程度のペースで開講している。

 

松中さんは、砂糖とは異なる蜂蜜の「甘さ」に魅了され、15年ほど前からセイヨウミツバチによる養蜂を営んでおり、年間の採蜜量は約2トンに及ぶ。豊かな自然に恵まれ、蜜の種類も多様な奄美大島での養蜂の魅力を広めようと、昨年に続き講師を務めた。

 

ミツバチの生態について「一生で集める蜜の量は?」「行動範囲の距離は?」などクイズ形式で出題。子どもたちからは回答の他に、「寿命は?」「なぜ家(巣箱)に帰れるの?」など、さまざまな疑問や質問が寄せられた。

 

また、タンカンの花とハゼの花の蜜の味比べでは、参加者から「ハゼの花の方が優しい味」や「どちらも味が濃くて甘い」との声。手動の遠心分離機を使ったハチミツ搾り体験では、新鮮な味を堪能して「さっきとは違ってさっぱり」「香りがいい」など、大人顔負けのコメントも飛び交った。

 

養蜂場のある笠利町から参加した近藤万鈴さん(10)は「松中さんの蜂蜜はいつも食べている。でも、搾りたては初めてで、とてもおいしかった」と満面の笑み。熱心にメモを取っていた奄美市名瀬の松中さんの孫・陽輝君(10)は「養蜂について詳しく話しを聞くのは初めて。蜂蜜搾りも楽しく、少しずつおじいちゃんのお手伝いをしてみたい」と話した。