産地化、観光資源化へ連携 関西のコーヒー業者らが徳之島視察

2019年02月20日

社会・経済 

コーヒー豆収穫を体験する視察団の一行ら=19日、伊仙町伊仙

コーヒー豆収穫を体験する視察団の一行ら=19日、伊仙町伊仙

 関西圏でコーヒー業界に従事する一行が18日から、徳之島産コーヒーの現地視察で来島している。19日は栽培農家の園地を訪問。品種や栽培管理など徳之島産コーヒーの特徴に理解を深め、ブランド産地化や観光資源化に向けて業界と生産者が連携して取り組むことを確認した。

 

 視察は伊仙町地域おこし協力隊員で、島内でコーヒー栽培に取り組む宮出博史さん(42)が昨春まで大阪府でカフェやコーヒー豆の焙煎(ばいせん)業を営んでいた縁で、カフェプロデューサーの石田謙介さん(44)=大阪府豊中市=が企画。コーヒーを入れるバリスタやコーヒー豆卸業者など11人が来島した。

 

 一行は19日、宮出さんと徳之島コーヒー生産者会の吉玉誠一会長のほ場を視察。台風被害に負けない園地づくりや栽培工程などを確認したほか、コーヒー豆の収穫や苗の植え付けも体験した。20日は宮出さんが企画したコーヒーの花や葉、果肉などを使ったジェラートを試食し、6次産業化の可能性を探る。

 

 宮出さんは徳之島コーヒーを島内で流通・消費させ、観光客を呼び込む構想を思い描いている。「徳之島でしか飲めないコーヒーができれば、多くの人が来島する。安定供給と品質管理の徹底などブランド産地化に取り組みながら、収穫体験を楽しめる観光農業や6次産業化など、観光客をリピートさせる仕組みづくりを進めたい」と意気込む。

 

 石田さんは「コーヒーに対する生産者の思いをお客さんに伝えるのがコーヒー業界の仕事。今後も定期的に視察を行い、情報発信などを通じて徳之島コーヒーをPRしていきたい」と話した。