県内初の植物病院開院 迅速、適切な防除対策へ 鹿児島市で県経済連

2023年04月05日

社会・経済 

鹿児島市で開院した県内初の植物病院=4日、同市与次郎

JA鹿児島県経済連は3日、鹿児島市で県内初の「植物病院」を開院した。農作物に多大な影響を与える病害虫の診断・検査といった業務を担い、東京大学や県農業開発総合センターなど関係機関とも連携して迅速、適切な防除対策につなげる。

 

県経済連によると、植物病院の開設は全国で6カ所目。同市与次郎の経済連食品総合研究所内に設置した。病院は德永太藏院長とスタッフの2人体制で、週に2日程度開く。主に▽病害虫の外観診断▽病害遺伝子診断▽薬効試験・防除指導▽ドローン(小型無人機)によるほ場の画像解析▽防除対策研修・講習会―に取り組む。

 

県内農業をめぐっては、県本土でサツマイモ基腐(もとぐされ)病の被害が深刻化。関係者は地球温暖化の影響などで病害虫の侵入リスクは奄美や県本土でも高まっていると警鐘を鳴らす。県経済連の担当者は「鹿児島は『南のとりで』とも呼ばれる。奄美の農家の方々にも植物病院を活用してもらうことで、今後のまん延防止対策につながると期待している」と話した。