英語活用不足など課題 オンライン会合で共有 黒糖焼酎海外販拡WG

2023年03月23日

社会・経済 

オンラインで開かれた奄美黒糖焼酎海外販路拡大ワーキンググループの2022年度第3回会合=22日

奄美群島内外の関係機関3者で構成する「奄美黒糖焼酎海外販路拡大ワーキンググループ(WG)」は22日、2022年度の第3回会合をオンラインで開いた。WGメンバーや関係する行政機関の担当者など約20人が参加。22年度に取り組んだ周知・販促活動を振り返り、海外での潜在的市場価値を確認した。一方、いまだ認知度が低い現状やPRでの英語活用不足など課題も指摘された。

 

同WGは、奄美黒糖焼酎の海外認知度向上や蔵元の人材育成・確保などを目標に掲げ、21年8月に発足。日本貿易振興機構(ジェトロ)鹿児島貿易情報センターと県酒造組合奄美支部、奄美群島広域事務組合で構成し、現在、群島内の蔵元9社が参加している。

 

22年度は夏秋2回の会合を開き、海外市場での黒糖焼酎の認知度や販売戦略について情報共有。今年2月には海外の酒類バイヤー向けバーチャル産地視察ツアーと米国での焼酎・泡盛PRイベント出展を行い、3月にイタリア人バイヤーを産地に招聘(しょうへい)した。

 

会合ではジェトロ鹿児島の担当者がバーチャル産地視察、バイヤー産地招聘の各活動を振り返り「高アルコール度数の需要が高い」「ラム酒に近い風味が評判」などと手応えを強調。併せて制作した黒糖焼酎の英訳付き紹介動画を流した。

 

WGメンバー各蔵元の代理として、米国ロサンゼルス(LA)での焼酎・泡盛PRイベントに黒糖焼酎ブースを出展したLA焼酎会の愛場美和氏も好感触を述べた上で▽SNS(インターネット交流サイト)活用▽英語版ホームページ制作│など課題を提示。さらに「米国では長期貯蔵が大きな売りになる。前面に出すべき」とも助言した。

 

22年度の活動報告を受け、WGメンバーらは「まだ知名度の低さを感じる」「PR方法は焦点を絞るべき」「現地(海外)での活動も積極的に展開したい」など意見交換。WGリーダーの泊浩伸奄美大島開運酒造常務取締役は「海外から直接問い合わせがあった際、英語でのやり取りが難しい。海外販路を目指す上で喫緊の課題」と情報共有した。

 

23年度の活動について、ジェトロ鹿児島は22年度同様の計画を軸に各種PRイベント、商談会の実施・参加などを提案した。