連休後の拡大防止へ共同声明 奄美大島新型コロナ会議

2022年04月28日

社会・経済 

大型連休を前に、感染予防に関する共同メッセージ発出などを決めた奄美大島感染症対策本部会議=27日、奄美市役所

奄美大島新型コロナウイルス感染症対策本部会議(会長・安田壮平奄美市長)は27日、奄美市役所で会合を開いた。島内5市町村で独自に設定したコロナ警戒レベルを一部改訂。これまで最大レベル「5」の状況下で公共施設は原則、休館と定めていたが、公共施設ごとに休館を検討することとし、一律での対応を改めた。大型連休を前に同日、5市町村の共同メッセージも発出。マスク会食の徹底などを呼び掛けた。警戒レベルは4を維持する。

 

会議は冒頭を除き非公開。奄美市、龍郷町、瀬戸内町の3市町長が出席し、大和、宇検の2村長はオンラインで参加した。

 

警戒レベルの改訂は、地域の経済や社会活動を維持する観点から、公共施設や、市町村主催行事の一律による休館・中止措置を改めた。

 

共同メッセージでは「感染状況が収まらない中、大型連休後のさらなる感染拡大が危惧(きぐ)される」と懸念。島民や来島者に、▽出発地か、旅行先でのPCR検査▽マスク会食の徹底▽第三者認証取得店舗の利用▽積極的なワクチン接種│への協力を求めた。

 

奄美大島の警戒レベルは今年1月6日に「4」から「5」へ引き上げられ、その後、島内での感染者数の減少を受けて、2月25日に「4」へ引き下げられた。

 

現在は「4」を維持しているが、奄美大島の4月の新規感染者は、爆発的に市中感染が拡大した今年1月に匹敵。うち奄美市では1月が765人だったのに対し、4月は26日現在777人で、すでに月の感染者数の過去最高を更新した。

 

警戒レベル5は、「島内での感染拡大が認められ、医療体制維持が危機」の状態。会議には県、名瀬保健所、医療機関の関係者もオブザーバーとして出席し、島内の感染状況や、医療提供体制の現況を説明した。

 

会議後、奄美市保健福祉部の山下能久部長は「現在は(医療への負担が)蓄積はしているが、『危機』まではいっておらず、直ちにレベル5へ引き上げる状態ではない」と述べた。