障がい者の就労支援へ 「あしたのえがお」オープン 作業に機織り、紬技術者育成 奄美市名瀬

2023年01月05日

社会・経済 

オープンした「あしたのえがお」のスタッフら=4日、奄美市名瀬

障がい者が働く訓練をしながら就労を目指す福祉サービス事業所「あしたのえがお」が4日、奄美市名瀬安勝町にオープンした。作業場には本場奄美大島紬の織り機3台が並ぶ。スポーツウエアを製造するグループ会社で使わなかった布を利用して、「裂き織(おり)」と呼ばれる技法で新しい生地を織り上げる作業を取り入れたのが特徴。管理者の大野力さん(44)は「大島紬の織り技術者を育成して就労につなげることで、地元に貢献したい」と意気込む。

 

同事業所は、障がいのある児童生徒を対象にした放課後等デイサービス「ヒマワリクラブ」などを運営する「ふるサポート奄美」(奄美市名瀬、園田明代表取締役兼CEO)が開設。保護者から、学校卒業後に「一般の会社で働くのは難しい」との声を受けて、就労継続支援B型事業所としてオープンした。定員20人。

 

織り機は大島紬の製造業者が提供。作業には、バスケットボールウエアブランド「バイオレーラ」などを展開する「アイズ・カンパニー」(本社・奄美市名瀬)の布を再利用する。裂いてよこ糸を作り、新しい生地に仕上げる。

 

スタッフは4人体制。大野さんは「働きやすく、みんなが笑顔になれる場所を目指す。大島紬の技術を生かして、生まれ変わった新しい布を使ってもらえるように人材育成を進めたい」と話した。

 

同日は知名町でヒマワリクラブの知名教室もオープンした。