黒糖焼酎カクテルで優勝 奄美の文化表現した福田さん 焼酎&泡盛コンペ

2023年03月09日

社会・経済 

本格焼酎・泡盛カクテルコンペティションで優勝した福田さん(提供写真)

全国のバーテンダーがオリジナルカクテルでその腕を競う「第5回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」(日本酒造組合中央会主催)が2月25日、東京都新宿区のホテルであり、奄美黒糖焼酎を使用したカクテル「アシビウタ」で福田麻人さん(32)=名古屋市=が優勝した。福田さんは「焼酎から奄美のイメージを膨らませ、島唄文化や豊かな自然を表現した。伝統の味を守りながら挑戦を続ける職人たちへ敬意を表したい」と話した。

 

カクテルコンペは国内で活躍するバーテンダーへ本格焼酎や泡盛を知ってもらうとともに、カクテルを通して訪日外国人らへ魅力を伝え、認知度拡大や需要喚起につなげる目的。一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会(HBA)が協力し、書類審査での予選を通過した上位9人が大会に臨んだ。

 

実技審査は味、見た目、プレゼンテーション、調合動作など8項目で採点。福田さんは龍郷町に工場を置く奄美大島酒造(有村成生社長)の「浜千鳥乃詩ゴールド」(40度)をベースに、パッションフルーツピューレや抹茶リキュールなどを組み合わせ、奄美の森や海を思わせる美しい色合いのカクテルに仕上げた。

黒糖焼酎「浜千鳥乃詩ゴールド」をベースに使ったカクテル「アシビウタ」(提供写真)

 

福田さんは手際よく酒を作りながら、使用した黒糖焼酎の特徴や、作品のコンセプトなどを審査員へ紹介。さまざまな味、香り、色が共演するカクテルを、仲間同士の歌の掛け合いを楽しむ奄美の島唄文化に見立て、高い評価を得た。

 

奄美大島酒造の有村社長は「(使用された焼酎は)かしだる貯蔵で洋酒に近い味わい。ベースの良さが評価され大変うれしい。黒糖焼酎全体の知名度アップにつながることを期待したい」と喜んだ。

 

実はこれまで奄美を訪れたことはなく、常連客の紹介で黒糖焼酎と出合ったという福田さん。「フルーツと組み合わせても負けない黒糖の香りに感銘を受けた。アシビウタは民謡や酒、文化、自然環境への憧れを込めた一杯。いつか実際に足を運び、きっかけをくれた奄美へありがとうと伝えたい」と話した。

 

カクテルのレシピは同大会ホームページ(https://cocktail2023.jp/)で閲覧できる。「アシビウタ」は福田さんが勤める「ark BAR Grande(アークバー グランデ)」(愛知県名古屋市)で提供している。