6次産業化など発表 パイナップルの加工品試作報告 沖永良部地区青年農業者会議

2022年11月30日

社会・経済 

新規品目の試験栽培など、若手農家が取り組みを報告した沖永良部地区青年農業者会議=29日、知名町

沖永良部地区青年農業者会議(同地区農業青年クラブ連絡協議会など主催)は29日、知名町商工会館であった。同クラブ員が新規品目栽培の実証や6次産業化の取り組みなどを報告し、先輩農家などから助言を受けた。

 

クラブ員相互の農業経営に役立てることや、地域農業の活性化を図る目的で毎年開催。クラブ員や青年農業者、指導農業士、関係機関、団体などから30人余りが参加した。

 

個人プロジェクト発表では、和泊町の竹下敦史さんがパイナップルの試験栽培と6次産業化を報告。本業の菓子製造業と両立させて加工品試作にも取り組み、「加工品の幅が広がった。夏場の換金作物となり得る」などと語った。

 

知名町の辻雄一郎さんは露地スプレーギクのマルチ(畑のうねをビニールシートなどで覆う)栽培実証について発表。マルチ設置時の効果や課題を示し、「マルチの設置、撤去の労力や処分費用はかかるが、マルチ無しで除草に時間をかけるよりは、品質向上のためのコストや労力をかける方がモチベーションにつながる」と振り返った。

 

知名町の穐田和磨さんは「私の目指す農業経営」と題して意見発表。島外の消費者からの声を受け、「自信を持って仕事をする大切さを学んだ」などと語った。

 

共同プロジェクトでは新規品目の検討をテーマに、知名町農業青年クラブがパッションフルーツ、和泊町農業青年クラブはアセロラの試験栽培について報告した。

 

講評では指導農業士など先輩農家らが「新たな視点として、エネルギーの自足を目指している島でやらなければならないのは食の自足。家庭菜園の普及拡大、野菜の少量多品目栽培などにもチャレンジし、稼げる農業に持っていければ」「妻などパートナーとのやりとりはこれから農業を続けていくための強み」などと助言した。