魅力的な観光資源探る 本土から旅行業者視察 奄美大島

2023年07月20日

社会・経済 

本場奄美大島紬の製造工程を見学する本土の旅行業者ら=19日、龍郷町

本土からの観光誘客促進を目的とした関西・中京地区旅行エージェント招待事業(鹿児島県大阪観光連絡協議会、鹿児島県名古屋観光連絡協議会主催)が19日、奄美大島で始まった。21日まで島内の観光地や関連施設を巡り、魅力的な観光資源などを探る。

 

両協議会は県大阪事務所が中心となり、県内の宿泊・飲食を含む観光関連業者らで構成する。全国各地を対象とした招待事業は毎年恒例で、奄美大島を訪れるのは4年ぶり。本土と異なる自然や文化が残る奄美は旅行需要が高く、関係者の間でも人気があるという。

 

事業には大阪府と愛知県の旅行会社担当者ら8人が参加し、主催2団体の関係者を含む10人余りで空路奄美大島入り。19日は奄美市笠利町の奄美空港から龍郷町を経て同市の名瀬市街地に至る道中、奄美の自然や歴史が学べる施設や郷土料理店に立ち寄った。

 

龍郷町赤尾木の観光施設・大島紬村(越間得晴代表取締役社長)では、伝統工芸品・本場奄美大島紬の製造工程を見学し、反物や小物など製品に触れた。参加者たちは大島紬独特の深い色合いや精巧な柄、それを生み出す技術を見聞きし、感嘆の声を上げた。

 

初めて奄美大島を訪れたという読売旅行(本社東京都)大阪企画チーム課長の鈴木正興さん(51)は「国内旅行先で離島は常に人気が高い。奄美を目的地としたプランも取り扱っており、今回は景色や観光の名所をしっかり確認しておきたい」と語った。

 

両協議会長を兼任する県大阪事務所の野下宏治所長は「今年は奄美群島日本復帰70周年の節目で、国体の一部競技も奄美で開催される。改めて奄美を知ってもらう機会を増やし、豊かな自然や文化など魅力発信につなげたい」と話した。

 

20日は同市名瀬と宇検村を往復し、マングローブ林や奄美大島世界遺産センター、奄美黒糖焼酎の製造工場などを視察予定。21日は奄美空港へ向かいつつ観光施設や海岸を訪れる。