「やったぞ、大高!」 スタンドも喜び爆発

2021年11月10日

スポーツ

勝利の瞬間、喜びを爆発させた3塁側スタンド=9日、鹿児島市の平和リース球場

 【鹿児島総局】良くやった、大高ナイン│。大島高が勝利を決めた瞬間、3塁側スタンドは歓喜の渦に包まれた。笑顔で拍手を送る人、万歳を繰り返す人、涙を流し周囲と握手する人、抱き合う人。スタンドで応援した人たち、それぞれが喜びに浸り、感動を分かち合った。

 7日の試合に続き、この日も3塁側スタンドには、出身者やOBら大勢の人が駆け付け、大高ナインを応援。選手の一挙手一投足に力強い拍手を送った。

 

 三回の攻撃で大島が3点を先取すると、スタンドは大盛り上がり。九回に興南の最後の打者を三振で仕留めると、飛び上がったり、抱き合ったりして喜ぶ人たちの姿が見られた。

 

 試合終了後、捕手の西田心太朗さんの父で、保護者会長の西田哲さんは「本当に幸せです」と涙。「出発前から『感動する試合を』と伝え、その通りにやってくれた。この後も一生懸命、今日のような試合を続けてほしい。子どもたちが野球に専念できるよう保護者の私たちもしっかりと支えていく」と話した。

 

 大島高の黒木哲二校長(59)は「生徒の頑張りが伝わる、いい試合だった。応援のパワーがすごくて選手たちも奮い立ったと思う」と笑顔で語った。

 

 奄美大島から定期船に乗って応援に駆け付けた大島高OBの重伊佐治さん(70)は「バンザーイ、良くやった。来年の甲子園行きが楽しみ」と喜んだ。

 

 2014年春のセンバツに出場した大島高野球部OBで、外部コーチを務める泊慶悟さん(24)は「大高の歴史を変えてくれた」と選手たちをたたえた上で、「まだ道のりの途中。今日の試合で見えた課題を再度見直し、全国でも戦えるよう個々の力をレベルアップさせてほしい」と期待を寄せた。