「挑戦する楽しさ届けたい」 走る冒険家Ponちゃん 奄美トレイル駆ける

2023年07月15日

スポーツ

 

「挑戦する楽しさと勇気を届けたい」と語った岩元みささん=14日、南海日日新聞社

「Ponちゃん」の愛称で親しまれ、「走る冒険家」として海外の過酷な長距離レースを次々と走破しているマラソンランナーの岩元みささん(30)=鹿児島市=が10日から奄美大島を訪れている。奄美群島をつなぐ総延長約550キロの奄美トレイル完走に向けた最終段階。14日は南海日日新聞社を訪れ、「挑戦することの楽しさと一歩踏み出す勇気を届けたい」と語った。

 

岩元さんは2018年4月に「世界一過酷なチャレンジ」と称されるサハラマラソンに挑戦し、7日間かけて237キロを完走。以降、同年10月のイランマラソン(230キロ)、19年4~5月のナミブレース(251キロ)と、数々の世界的レースに出場している。

 

長距離レース挑戦の発端となったのは、高校時代に所属していた陸上部での挫折の経験だった。人間関係や成績不振で自信を失った岩元さんは次第にリスクを負うことを恐れるようになり、無気力なまま大人になった。

 

そんな中、一念発起して始めたのはマラソンではなくドラム演奏。新しい体験に胸を躍らせたとき、挑戦することの楽しさを思い出したという。そこから小さな挑戦を重ね、「世界一」のチャレンジにつながった。

 

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るったときは、鹿児島市内で人力車夫をしてチャンスを待った。そして今年6月、4年ぶりの海外レースとなったゴビ砂漠マラソン(250キロ)を完走。これで、念願だった南極マラソン出場の切符を手にした。大会は来年11月にある。

 

現在は鹿児島市内の飲食店で働きながら、トレーニングとともに全国各地で講演活動に励んでいる。岩元さんは「以前は小さな世界に閉じこもり、人生はつまらないと思い込んでいた。挑戦する喜びや一歩踏み出す勇気を伝えていきたい」と語った。

 

奄美トレイルは21年に喜界島、22年に与論島のコースを走り、今年6月30日から沖永良部島、徳之島と走り抜けた。15日は奄美市住用町からスタートする。活動の様子はインターネット交流サイト(SNS)で紹介している。インスタグラムのアカウントは「pon.iwamoto01」。