生鮮食品や乳製品など姿消す 台風接近で生活に深刻な影響 徳之島
2023年06月01日
自然・気象
【徳之島総局】大型で強い台風2号の接近で、奄美群島南部では航路や航空路の乱れにより、住民生活に影響が生じている。徳之島では海の便の断続的な欠航や抜港に伴い乳製品や生鮮食品などが店頭からほぼ姿を消しているほか、学校給食で牛乳が提供できなくなるなど状況が深刻化。台風の進路や速度次第では今後も影響が長引く恐れもある。
島内3町の給食センターはそれぞれ31日から牛乳を提供できずジュースで代用。天城町給食センターによると、少なくとも6月2日までは牛乳なし。以降も入荷の見込みは立っていないという。
徳之島町の複数のスーパーでは31日午前、乳製品、生鮮食品の陳列棚がほぼ空っぽの状態。買い物に訪れた町在住の主婦(60代)は「必要だった納豆と牛乳は既に売り切れ。停電で冷蔵庫が止まるかもしれないので買いだめもできない。保存が利くインスタント食品も値上がりしているので踏んだり蹴ったりだ」とため息をついた。
Aコープ徳之島店の竹山太店長(33)は「できるだけ欠品がないように台風の時期は就航情報に目を配り、多めに仕入れているが抜港は予想できない」と話し、「3~4日の欠航ならまだしも1週間近くとなると品物が無くなり客足も遠のく」と影響の長期化に心配そうな表情を見せた。
台風の影響は農業にも。海沿いの農地では海上のしけが続くことによる塩害が懸念される一方、徳之島では22日以降、まとまった雨が降っていない。南西糖業の担当者は「まだ風が弱いのでサトウキビの被害は確認されていないが、このまま雨不足が続くと間違いなく悪影響が出る」と懸念した。