奄美のトカゲ2種追加指定 県の希少野生動植物に

2019年05月18日

県の希少野生動植物に指定されたバーバートカゲ(奄美群島国立公園管理事務所提供)

県の希少野生動植物に指定されたバーバートカゲ(奄美群島国立公園管理事務所提供)

  【鹿児島総局】県は17日、沖永良部島と与論島、中之島に生息するオキナワトカゲと奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島に生息するバーバートカゲ、伊佐市に分布するトキソウを希少野生動植物に指定したと発表した。これにより県の指定種は計42種、うち奄美群島に生息・分布する動植物は25種となった。許可なく捕獲・採取した場合、1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。

 オキナワトカゲとバーバートカゲは沖縄県にも分布している。

 オキナワトカゲの体長は60~100ミリで、成体の雄は頭部の幅が広く頑丈。バーバートカゲは体長50~70ミリで、幼体の尾は鮮やかな青色。国、県とも両種を「絶滅危惧Ⅱ類」に指定している。

 オキナワトカゲの生息状況について県は、生息域の3島に外来のイタチが定着し、多くの爬虫類や両生類がイタチにより絶滅している与論島では特に危険度が大きいと指摘。バーバートカゲについては、森林伐採や林道開発などで生息環境が悪化しているとした。

 両種のトカゲはペット目的の販売・広告が確認されており、捕獲圧がかかれば絶滅の恐れがあることから、保護が必要と判断した。

 奄美群島の生息種以外に指定を受けるトキソウはラン科の維管束植物。高さ15~30センチの多年草で、5月から10月にかけ開花する。県の「絶滅危惧Ⅰ類」、国の「準絶滅危惧」指定種で、採取により生育が脅かされる可能性が高く、保護の必要性が示された。

県の希少野生動植物に指定されたオキナワトカゲ

県の希少野生動植物に指定されたオキナワトカゲ