シバサシでススキ飾り災い払う  宇検村阿室、ノロ装束祭る家も

自宅に飾ったノロ装束「シバサシギン」に手を合わせる住民=12日、宇検村阿室

自宅に飾ったノロ装束「シバサシギン」に手を合わせる住民=12日、宇検村阿室

 宇検村阿室集落(田畑成康区長、29世帯61人)で12日、伝統のシバサシ(柴差し)行事があった。住民たちは踊りの輪を広げ、屋敷の四隅や軒などに災いを払うとされるシバ(ススキ)を飾り、無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)、集落繁栄を祈った。

 

 同集落はかつて、旧暦8月最初の丙(ひのえ)のアラセツから、その後の壬(みずのえ)のシバサシまで約1週間にわたって昼夜各家を回って踊っていた。

 

 現在はアラセツの早朝に踊った後、シバサシ2日前まで毎夜約1時間、シバサシ当日は早朝に阿室防災会館で歌い踊る。ノロ装束のシバサシギン(柴差し着物)がある家では衣装を飾り、ミキなどを供えて祭る風習も残る。ノロは琉球王国から任命を受け、集落を守る役割を担った女神官。

 

 今年のシバサシに当たる12日の午前4時半ごろ、住民ら約30人がかがり火がともされた土俵を囲み、踊り始めた。集落内には午前6時ごろまでチヂン(太鼓)の音や歌声が響いた。

 

 踊り後、自宅の軒下などにススキを飾った吉久征夫さん(46)は「1年の家内安全を願った」。芭蕉布でできた着物など集落を離れた親戚から預かったシバサシギン4点を床の間に飾った山畑邦彦さん(71)は「自分たちも集落を離れるのでこの家で飾るのは今年が最後。教育委員会に着物を託す予定。集落の文化、風習を伝えるため集落内での展示なども考えてほしい」と話した。

 

 田畑区長(61)は「シバサシは集落をつくってきた行事。自分が区長の間は昔ながらの形式で続ける努力をしたい」と力を込めた。