奄美最古の土器出土 1万3800年前の生活跡発見 天城町・下原洞穴遺跡

出土した隆帯文土器=15日、天城町西阿木名

出土した隆帯文土器=15日、天城町西阿木名

  【徳之島総局】天城町教育委員会は15日、同町西阿木名地区内の下原洞穴遺跡の発掘調査で、縄文時代草創期の約1万3千~1万4千年前に出現したとされる「隆帯文土器」の破片が出土したと発表した。奄美群島では喜子川遺跡(奄美市笠利町)や面縄貝塚(伊仙町)などで発見されている約6千~7千年前の南島爪形文土器が最古とされており、町教委は「奄美最古となる土器で、この時期の生活跡が見つかったのは奄美で初めて。列島と大差ない時期に土器文化が始まったと考えられる」としている。

 

下原洞穴遺跡の発掘現場=15日、天城町西阿木名

下原洞穴遺跡の発掘現場=15日、天城町西阿木名

 同遺跡は同町の西阿木名小中学校から西へ約1㌔の加万答(カマント)と呼ばれる畑地の中の琉球石灰岩の崖地にあり、幅27㍍、奥行き10㍍、高さ5㍍の空間。町側は2015、16、18年度の3カ年度、鹿児島女子短期大学と共同で縦5㍍、横4・5㍍の範囲で発掘調査を行い、約4千年前ごろの複数の人骨と磨製石鏃(せきぞく)の製作跡を発見している。

 

 隆帯文土器は土器の周りに貼り付いた粘土紐の模様が特徴で、15年度調査時に地表から約1・2㍍のⅣ層最下層で5点出土。昨年3月に実施した放射性炭素年代測定で約1万3820年前ごろと確認された。

 

 今回の調査で爪形文土器が発見されたⅡ層の下のⅢ層から、隆帯文土器より新しく爪形門土器より古い波状条線文土器が密集して15点見つかったことから、町教委は「Ⅱ層からⅢ層、Ⅳ層にかけて土器の連続性が確認できる」と公表。奄美ではこれまで日本列島より遅れて土器文化が始まったとみられてきたが、隆帯文土器が見つかったことで、列島と大差ない時期に土器文化が始まったと考えられる」と分析した。

 

 地表から約2㍍に位置するⅤ層とⅥ層の境界には、人が火をおこした跡とみられる木炭を含んだ地層があり、年代測定では約2万5千年前ごろの結果が出ている。町教委は「人の生活の痕跡が連続性を持って良好な形で残っている重要な遺跡。来年度以降も体制を整えて調査を継続できれば」と話した。

 

 町教委は17日、住民らを対象に現場説明会を開く。見学希望者は午後2時までに、西阿木名小中学校へ集合する。