目指すは60歳現役 宇検村出身の競輪選手、重一徳さん

宇検村でトレーニングに励む重さん。「最近は舗装も良くなり自転車の練習に望ましい環境が整ってきている」と話す

宇検村でトレーニングに励む重さん。「最近は舗装も良くなり自転車の練習に望ましい環境が整ってきている」と話す

 緻密(ちみつ)な駆け引きと息をのむデッドヒートが魅力の競輪。トップクラスの選手の最高速は時速70キロにも及ぶという。そのシビアな勝負の世界で現役を続ける奄美出身選手がいる。宇検村須古出身の重一徳さん(56)。昨年5月には節目となる通算500勝を達成した。22歳のデビュー以来、今年で36年目のプロ生活を迎えるベテランは「60歳現役を目指す」と新たな目標を掲げている。

 

 幼い頃からスポーツ万能。特に短距離走には自信があったという。野球を志して田検中から名門校の鹿児島実業高に進学したが、1年生の夏に腰を痛めて野球を断念せざるを得なくなった。そんな時に自転車部の監督に声を掛けられ、競技生活がスタート。「当時は自転車といわれても全くピンとこなかったのに、まさか一生の仕事になるとは。見る目のある指導者と出会えたのは幸運」と恩師に感謝した。

 

 高校を卒業後、静岡県伊豆市の競輪学校を経て22歳でプロデビュー。同年にB級(当時)で初勝利を果たした。S級初勝利は25歳。29歳だった1994年1月にはS級初優勝を成し遂げた。通算成績は出走回数2961で505勝。今季はA級2班で競技生活36年目を迎える。

 

 「ピークだった30代より体力は衰えているが、速ければ強いというわけではないのが競輪。ベテランでも駆け引きや経験、技術を駆使すれば若く勢いのある選手に勝てる」と競技の奥深さを語る重さん。「自分の頑張り次第で収入が変わる。私にはやりがいのある仕事」と力を込めた。

 

 長年現役を続けられている秘訣(ひけつ)を訪ねると、「とにかくこつこつとトレーニングを続けること」。里帰りした際でも毎日100キロのロードトレーニングが日課という。「特別なウエートトレーニングも昔はしていたが今はしていない。とにかく自転車に乗ることが大切」と話した。

 

 「現在の現役最年長が60歳だから私もそこを目指す。奄美も交通の便が良くなってきたので、宇検村に拠点を置いてプロ活動ができないかとも考えている」と展望を語る重さん。新たな目標を掲げる夫のそばで日登美さんは「厳しく仕事に臨む姿をずっと見てきた。こうなったら納得いくまで挑戦してほしい」と笑顔で背中を押した。

 ※経歴や成績は2020年11月末現在。