合併特例債、発行157億円に 奄美市

2022年05月23日

政治・行政

合併特例債を活用して建設された奄美市の名瀬総合庁舎=21日、同市名瀬

奄美市財政課のまとめによると、2006年3月の市町村合併で誕生した同市の合併特例債は、21年度末時点で157億5330万円が発行済みとなっている。限度額は161億9130万円で、発行済み額の割合は97・3%。主に名瀬、住用、笠利の3地区の庁舎建設や市街地開発などハード整備に活用した。

 

合併特例債は、市町村合併に伴う財政上の優遇措置。事業費の95%に充当でき、返済額の7割は国が地方交付税で負担する仕組み。発行限度額は市町村の規模などに応じて決まっている。

 

奄美市は合併直後の06年度予算から活用。主な事業別発行額は▽名瀬庁舎建設51億円▽住用同7億3千万円▽笠利同6億5千万円▽3地区庁舎の電算システム関連3億5千万円▽末広・港土地区画整理事業24億円▽名瀬中心市街地の道路や公園整備など都市再生整備事業9億円▽各学校施設整備8億6千万円▽光ファイバー網整備1億8千万円―など。

 

財政課によると、より有利な起債である辺地・過疎対策事業債の対象から漏れる事業に対し、合併特例債を積極的に活用してきた。

 

永田公洋財政課長は「新庁舎が建設される以前は、3地区とも庁舎の老朽化が課題だった。豪雨災害も続き、防災面でも庁舎機能の拡充が求められていた中、新庁舎建設が迅速に進められたのは、この財源(合併特例債)のおかげ」と語った。

 

当初20年度までだった同特例債の発行期限は5年延長され、25年度まで活用が可能。市は残り発行可能な4億円余りについて、引き続き都市再生整備事業などへ活用する方針。