「うおっちょ」オープン 天城町浅間 徳之島の海の幸を提供 命名の小学生に感謝状も

2023年04月30日

社会・経済 

テープカットで「うおっちょ」の運用開始を祝う記念式典出席者=29日、天城町浅間

【徳之島総局】天城町が同町浅間で整備を進めていた水産業振興拠点施設のオープン記念式典が29日、同施設で開かれた。町内外から関係者約50人が出席。テープカットで徳之島の海の幸が味わえる施設の運用開始を祝った。公募していた施設名称は「うおっちょ」に決定。式典では命名した小学生へ感謝状が贈呈された。

 

国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などを活用して総事業費1億2547万7千円をかけて整備した。鉄骨造りの平屋で延べ床面積は251平方メートル。加工場(55平方メートル)、店舗(126平方メートル)、食堂(70平方メートル)を備え、地元産の水産加工品の製造、販売を行う。

 

森田弘光町長は式辞で「水産業の振興と水産物の消費拡大、漁業者の所得向上を第一に考えて整備した施設。隣接するスポーツ施設や現在整備中のあまぎ自然と伝統文化体験館と連携して、利用者に喜んでもらえる施設になってほしい」と期待を込めた。

 

施設の名称は魚(うお)に方言で語尾につけられる「~っちょ」を加えたもの。山海留学で天城町で生活し始めて3年目の名富遥花さん(岡前小与名間分校1年)が命名した。式典で森田町長から感謝状を受け取った名富さんは「島の人が使う『っちょ』はかわいいのでお気に入り。お刺身など魚料理は大好きなのでたくさん食べに来たい」と喜んだ。

 

徳之島漁業協同組合の徳田進組合長は「徳之島は海の幸に恵まれながら食べさせる場所が少ないことが悩みの一つだった。漁協としてもおいしい魚を届けて施設のバックアップに努めたい。魚食の推進と消費拡大にも期待したい」と運用開始を歓迎した。

 

施設にはスタッフ5人が勤め、シビやカツオなどの刺し身や冷凍加工品などの販売のほか、海鮮丼や魚汁などの飲食も提供する。元地域おこし協力隊で運用責任者の益子正和さん(65)は「近海で捕れたての味が自慢。中でもカツオのたたきがお勧めなのでぜひ一度食べに来てほしい」と呼び掛けた。

 

営業時間は午前11時から午後6時までで、定休日は毎週水曜日と年末年始。問い合わせは電話0997(85)6200同施設へ。