セグロウリミバエ誘殺確認 県内初、伊仙町で まん延防止に向け警戒強化 果菜類などの害虫

2025年03月20日

政治・行政

ウリ科の果菜類やパッションフルーツ、スモモなどの果樹にも被害を与える害虫セグロウリミバエの成虫(沖縄県病害虫防除技術センター提供)

【鹿児島総局】県は19日、主にウリ科の果菜類に被害を与える害虫セグロウリミバエの雄成虫1匹の誘殺が、17日に伊仙町犬田布の調査用トラップで確認されたと発表した。セグロウリミバエの誘殺確認は県内で初めて。県など関係機関は国の指針に基づき初動対応を講じるとともに、まん延防止に向け警戒を強めている。門司植物防疫所は「ミカンコミバエと同程度の危機感を持ち、早めの防除を行うことが重要」としている。

 

県経営技術課などによると、セグロウリミバエは小型のハエの一種で体長は7~8ミリ。キュウリやスイカ、カボチャといったウリ科の生果実を好み、雌が産卵して果実内で幼虫の食害が進むと、果実が腐敗し落果する。幼果から熟果まで広い生育段階の果実に産卵するのが特徴。パッションフルーツやスモモなどの果樹にも被害を与えることがある。

 

世界では中国や台湾、インドなどで発生しており、国内では沖縄県名護市で2024年3月に見つかって以降、継続して誘殺が確認されている。

 

誘殺が初めて確認された伊仙町では19日までに、誘殺地点から半径5キロ円内でトラップを増設したほか、ミバエが好む餌と殺虫剤を混ぜたベイト剤を散布。半径2キロ円内の菜園などでは、幼虫の有無を確認するための寄主果実採取を18日に実施し、2回目は4月8日に行う計画。不要な寄主果実については、地域住民へ自主的な除去を要請する。

 

門司植物防疫所の担当者は「3月に入ってから中国や台湾方面から強い風が吹いていたのは確認している。風でセグロウリミバエが徳之島へ侵入した可能性は考えられる」と話し、引き続き侵入警戒やまん延防止のための防除対策に力を入れていく考えを示した。