大型巡視船「あまみ」初入港 奄美海保所属で過去最大 名瀬港

2025年04月04日

社会・経済 

名瀬港に初入港する大型巡視船「あまみ」=3日、奄美市

奄美海上保安部(大場伊佐大部長)に新たに配属された大型巡視船「あまみ」(3500トン)が3日、奄美市の名瀬港に初入港した。船の前後2カ所に40ミリ機関砲を搭載するなど奄美海保過去最大の巡視船。同部巡視船「あまぎ」(1300トン)、「かいもん」(220トン)、古仁屋海上保安署巡視艇「いそなみ」(100トン)に加わる新たな勢力として、領海警備や海難救助などの任務に当たる。

 

あまみは全長120メートル、幅14メートル、速力25ノット(時速約46キロメートル)以上。機関砲のほか、遠隔監視採証装置や遠隔放水銃、停船命令等表示装置などを装備し、ヘリコプターも離着船できる。

 

尖閣諸島周辺の領海警備体制の強化などを含む「海上保安能力強化に関する方針」に基づき約121億円をかけて新造された。今年3月24日に岡山県の造船所で海保に引き渡された。

 

平野恵三船長は「あまぎに比べて大型化し、性能も向上している。領海警備や海難救助に大いに活用したい。(船内も快適で)船員の負担も減る」と話した。

 

船名は2004年に名瀬海上保安部(現奄美海保)から佐世保海上保安部(長崎県)に配属が替わり、24年1月に解役となった「あまみ」を引き継いだもの。大場部長は「あまみは平成13(2001)年に工作船から銃撃を受けた際に毅然(きぜん)と対応した。新しい『あまみ』もさまざまな業務で活躍すると期待している。自然災害への対応を含め島民の安全、安心に貢献したい」と語った。

 

同部は関係者や一般へ向けたあまみの公開も検討している。