能登被災地でボランティア 小学生、高校生が活動報告 喜界町

2025年04月10日

社会・経済 

地震などで甚大な被害があった能登半島の被災地でボランティア活動を行った高校生らが思いを語った報告会=6日、喜界町役場

喜界町のボランティア団体「にじの結い」(藤原実子代表)は3月下旬、地震や豪雨で大きな被害を受けた石川県能登半島の被災地で復興のためのボランティア活動を行なった。参加したのは町内の高校生6人、小学生1人を含む計10人。4月6日に町役場で活動報告会を開いた参加者からは「被災地の人たちの笑顔がうれしかった」といった感想が聞かれた。

 

「にじの結い」は石川県出身で、元喜界町地域おこし協力隊の藤原さんが、能登でのボランティア活動の経験や、そこでの学びをきっかけに町内で設立。

 

「自問して行動する経験が人生を変える」との思いから今回のプロジェクト(能登半島でのボランティア)を企画した。

 

メンバーは3月26日に出発し、同月31日帰島。石川県輪島市など3自治体で3日間にわたり活動した。他のボランティアの人たちと泥かきや炊き出しなどの作業に参加。喜界島の郷土料理や菓子を振る舞ったり、歌やフラダンスを披露したりして、被災地で多くの人と交流した。

 

報告会で発表したのは、いずれも喜界高2年の美島安滋(あんじ)さん、榮紅羽(くれは)さん、吉琉我(りゅうが)さんと、喜界小6年の土岐春陽(はるひ)さんの4人。

 

榮さんは「被災地を目の当たりにして胸が苦しくなった。同時に被災した方たちと話をして笑顔を見ることができ、ここに来て本当に良かったと思った。自分からボランティアに参加する意味や、たくさんの人と関わることの大切さを実感した」と話した。

 

土岐さんは「被災地を見て、自分たちがどんなに恵まれた環境にいるか、改めて感じた。ボランティア活動はしたが、町は壊れたままで、普通の生活に戻れていない人もたくさんいるので達成感はない」と素直な思いを語り、「次もまたボランティアの機会があれば必ず行きたい」と力強く話した。

 

藤原さんは「『自分たちができる精いっぱいのことをしよう』との気持ちで、一生懸命に考え、行動できたプロジェクトだったと思う」と振り返った。

 

報告会には保護者や関係者ら約30人が来場。子どもたち一人一人の発表に温かい拍手を送った。