交流拠点、地域活性化に期待 市農林産物直売所がリニューアル 奄美市名瀬

2025年04月13日

社会・経済 

奄美市農林産物直売所のリニューアルを記念して行われたセレモニー=12日、奄美市名瀬

長年「ゆてぃもれ」の名称で親しまれてきた、奄美市名瀬の奄美市農林産物直売所が12日、「夢来夢来(むくむく)テラス」としてリニューアルオープンした。施設は農産物やパン、加工食品などを取り扱う直売所と軽食を味わえる喫茶スペースを完備。オープンを前に式典があり、出席した関係者は地区内外の住民が集う交流拠点としての役割や地域活性化に期待を寄せた。

 

同直売所は農業振興と地域活性化の貢献を目的に、市が名瀬浜里町に2005年4月に開設。下方地区の農家を中心とした運営協議会が24年度まで指定管理していたが、組織の高齢化や会員減少などで喫茶、直売所の運営を休止したため、今年度から社会福祉法人「三環舎」(向井扶美理事長)へ管理者を変更し、夢来夢来テラスとしてリニューアルオープンした。

 

直売所では地元の下方地区で取れた農産物、障がい者の就労移行支援などに取り組む同法人が運営する「夢来夢来」で焼いたパン、「あしたば園」の島料理レトルト食品、周辺の福祉施設で作ったお菓子などを販売する。喫茶コーナーでは軽食や飲み物を提供する。

 

オープンを前に同地でセレモニーがあり、官民の関係者が出席。安田壮平市長は「本市の農業振興に寄与するとともに、多くの人が買い物を通じて楽しい時間を過ごせる交流拠点としても活用され、これまで以上に地域に愛される施設になってほしい」とあいさつ。

 

地元を代表して浜里町自治会の泉直樹会長(65)は「夢来夢来テラスを通じて交流の場が広まり、下方地区全体のコミュニティーの場として一役を担っていただきたい」と期待を寄せた。

 

地元の野菜や焼きたてパンなどが並び、多くの来場者でにぎわった直売所=12日、奄美市名瀬

式典後にオープンした直売所は来場者が行列を作るなど、多くの人でにぎわった。向井理事長は「多くの人に来店いただきありがたい。直売所や喫茶コーナーだけでなく、島野菜の料理教室やフリーマーケットなど地域のみなさんに参加していただけるような催しを開くなどして、交流の場を提供できたら」と述べた。

 

夢来夢来テラスは三環舎職員と夢来夢来利用者で運営する。営業日は火曜~土曜(祝日は定休日)。営業時間は直売所が午前9時半~午後5時半、喫茶コーナーは午前11時半~午後1時半。